インタビュー
カフェ 手前に北山丸太の柱が見える。

京都の木工職人の方に聞いてみました。

ー来られるお客さんの反応はどうですか?触られたりとか。

上田:まぁ、みなさん触っていかれますね。触っても汚れないですしね。
それに皆さん、北山杉は高いものだと思ってるんですよね。

ーそうですね。印象としては高級品というイメージですね。

上田:「うわ、こんなの使って。金持ってるな」ってイメージですけれども、僕は金銭感覚はおかしくないとは思うんですけど、そんなに高くはないと思うんですよね。
僕が買った値段は僕が知っていますけど、それの印象に対しては「あ、そうなんや」って。
お店として話するならば、もしたとえ高くても、衣食住の中で「食」って一日三回みんな誰もがすることじゃないですか。飲むか飲まないかはさておき。
それをわざわざお金を払って、うちに食事しに来てくれるわけですから。
日常のことを非日常として空間の演出をしないといけないわけなんで。
その中のおもてなしの一つとして、自分が出来る最大限のいいと思うものを用意しておかないといけないと思うんですよね。
お店に関する全てのことっていうのは、北山杉含めて、より自分の出来るいいものを用意しておかないといけないと思うので、そのうちのパーツの一つだと僕は思っていますけどね。

ー実際いま北山杉を使われてますけれども、今後北山杉がどういう風な使われ方をしていくといいと思いますか?

上田:まぁ、僕はお店で物を売る人間ですので、そういう観点であんまり考えたことはなかったですけども・・建築家さんがね、それを有効に使おうとする努力というのが必要だと思うんです。

北山杉が建築事情の一つとして、最近使われなくなったという現状が実際あるじゃないですか。
どっかで組み立ててきたものをガシャンガシャンってやるのがお家ってなってるじゃないですか。
それはそういう事情で致し方ないとは思うのですよ。
僕らの世界でも、僕はマクドナルドもスターバックスも行きますけども、実際はコーヒーを500円で(この店で)売ってるしビールも500円で売ってる。
だからといって、こちらの努力をしないのは、もっとダメなことで。
もっといいものを、美味しいものを、美しいものを探そうっていう努力っていうのをしていく中で、杉であったり一枚板であったりっていうのがどんどん使われていくのは、逆にどんどん需要は僕、高くなるんじゃないかなと思ってるくらいなんですけどね。

ある友達がこの冬に独立しようと思って、でも予算がないから極力安くしようと思ってんねんって言っても、うちの店来て「あぁ、やっぱり一枚板いいね。こういう空間っていいね」って言って。
そういう風に、おもてなしをしよう、美しいものをつくろうというふうな人がどんどんと、出てくれば、需要っていうのは増えるんじゃないかなっと思いますね。

ーなるほど

上田:一部屋だけこういう(和モダンな)部屋を作るとか、お父さんがパソコンをカチカチいじる部屋だけこういう風にするとか、夫婦が寝る部屋だけこういう風にピシッっとするとか。
そういうふうなアプローチというのがあっていいと思うんですよね。もちろん誰だって予算が無いんで安くしたいけれども、一部屋だけいい空間をつくろうと。
それ以外はもう本当に日常的な空間で、そこにちょっとだけクリエイティブな部屋があってもいいんじゃないかなっていうような提案というのを、建築家さんがやったらいいんじゃないかなと思いますね。

ー今日はありがとうございました。

樹輪舎

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