ー周りの作家さん、デザイナーさんは北山杉にどのような印象をもっていると感じられますか?
八十原:特にデザインを作っている人からすると主張しすぎると感じるんじゃないかな、と思います。
それだけでデザインが完成されているので家具の中には一つあればいい、というか。
ー北山杉を製作して印象が変わりましたか?
八十原:そうですね。やはり一番は「芯が強い」と感じました。
今まで使っていた杉などの針葉樹はやわらかいだけのイメージでしたが、今回垂木など使うと本当に強いので製作してみて初めてあの細くて丸い木が芯が強いと感じました。
ー北山杉の現状についてはどのように感じていますか?
八十原:磨き丸太で有名な床柱として現在使われている家は100軒に1軒くらいだと思います。
垂木の家もそれ以上に少ないですし、このままでは衰退していくのではないかと感じています。
自分の仕事を継がせないという人が多いのでこれからどうなっていくかというのは、正直不安なところですね。
ー北山杉の今後の可能性についてどの様に思われますか?
八十原:北山杉は主張が強い木で、家具として使うには少し工夫が必要ですが、建築にももっと使えるんじゃないかと。
毎日森を見ていると建物全体に北山杉を使うのも面白いのではないかと思います。
例えばブティックの壁が全面北山杉とか。
丸太を使うとログハウスのような建物になるというイメージを多くの人が持っておられると思いますが、もっと繊細なイメージを持てる建築には良いのかなと思います。
ー最後に、北山杉を含め京都の伝統文化について今後どうなると思われますか? またこうなればいいというのはありますか?
八十原:どんどん昔の技術というのが無くなっていくように思います。
大工さんもそうですし。
ただ、京都のものはすごいと感じます。
これは残っていくというよりは残していかないといけないと思っています。
建築だけでも色んなジャンル、鉄にして土壁にしても北山杉にしても残して使っていく必要はあるとは絶対思っています。
他の地方に行く機会があるので強く感じ再認識します。
ーそのような流れの中で八十原さんや樹輪舎さんができる事とは何だと感じますか?
八十原:今はインターネット普及していて県外のお客様からもご注文を頂きますが、京都の職人さんに頼んでよかったな、京都のものはすごいなと思って頂けるものを作っていきたいと思います。
お客様に喜んでもらえるものをこれからも作っていくことだと感じております。
ー今日はありがとうございました。
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